開催中のSF大会に関連して、渋谷ブックファーストの、しかもエスカレータ脇の特等席で「SF特集」と称して有名どころの文庫やハードカバーとかに加え(小川一水神林長平の既刊はほぼ揃っていたような)、2000年1月号からのSFマガジンをズラリと並べて売っていた(壮観!)ので冲方丁桜坂洋、そして前篇だけ読んで見逃したままだった秋山瑞人の「おれはミサイル」とかの載ってる号を買ってくる。ああ、小川一水のが載ってるのも(おそらく)全巻出ていたので、お早めに渋谷までどうぞ。
 心残りなのは神林長平の「わが名はジュディ、文句あるか」掲載の520号があとちょっと(2000年1月のは524号)で買えなかったことかなぁ・・・。

 以下、秋山瑞人「おれはミサイル<前篇>」感想。

『貴様の誘導哲学を言ってみろ!!』
『IRパッシブでありますっ!!』
『その方式を最初に提唱したのは誰か!?』
『古の哲人、サイドワインダーでありますっ!!』

 何百年も空を飛び、戦い続ける自立戦闘機AIである「私」が突然耳にした声は、自分が搭載しているミサイルのAI達のものだった・・・。

 で、引用のような問答を繰り広げるミサイル達と戦闘AIの「私」との会話が繰り広げられる短編なんですが、ミサイル達の性格、機械の「私」の外観やコンピュータ的な心内描写とかも含めて丁寧な中にユーモアがあって唸りつつ笑える。

つまり、「オツムがぬくい」というのは「貴様はシーカーの出来の悪い不良品だ」というほどの意味であり、IRホーミングミサイルを罵倒する言葉なのだ。

 とかね。後半を読むのが非常に楽しみなのに加え、単行本が出ないのももったいないと思う作品であります。