フィクション・ゼロ掲載の小川一水「占職術師(ヴォケイショノロジスト)の希望」読了。人の「天職」が見えるという超能力を持つ紺野哨平。彼がある日テレビ局で見かけた男の「天職」とは・・・。


 ニートや人材のマッチングといった昨今の職業問題、格差社会自爆テロとかを混ぜ合わせて「探偵もの」(著者談)風の短編にうまくまとめてあり、いよいよ短編SF作家としての評判が高まりそうな予感。今回のはSFでないかもしれないけど。

 人の天職が見えるだけで、占職術師の自分はそれに憧れるだけしかないということに悩んでヤサグレ風な主人公と、彼に画家その他としての才能を見出されたイケイケな女性とのコンビもいい感じ。