「小説宝石」の小川一水「煙突の上のハイヒール」読了。結婚詐欺にあうも、お金だけは持っていかれずにすんだ宿原織香が半ばヤケになって買ったのは、Mew(Man Enhancer Wing)と呼ばれる個人用の飛行機械だった。

 という、あらすじだけ聞くとものすごい未来の話かと思えてくるけれど、実際はこれ http://www.gen-corp.jp/ がちょっと未来の動力―――普通車レベルで実用化された電気自動車のモータを積んだらどうなるか、という代物。小川一水で好きなのは、若干近未来というか、手が届きそうというか、こういう少しフューチャー(SF)な雰囲気なんですよね。

 結婚詐欺に会ったせいか、ヒロインがかなり人間不信キャラになっていて、いちいち行動に首をかしげるところもあったけれど、中盤と最後の無茶がまたいつもの小川一水だったので満足。

 あと小説宝石の「とことん愉しむ傑作短編」特集で掲載されてたのは、小川一水はSF短編小説家って認識なのか…。