先週後半は特に低速回転だったので、気付いたら1週間ぶりのエントリー。asta* 1月号を入手したので、その感想など。

「妙なる技の乙女たち 第三話 楽園の島、売ります(前編)」

 前後編仕立ての今回は、民間資源を活用した自然保護法の隙間をつき、保護区調査の名目で建てたコテージを都市の富裕層向けに販売している不動産屋と生物学者の物語。

 2人が今回たまたま選んだ土地の地下には洞窟があり、そこには現地住民たちが「夜の者の庭」と呼ぶ不思議な生態系があった。現地住民に説得され、洞窟を保護するためコテージの移設を提案するが、その土地になぜか執着する顧客は現地住民を逮捕させてまでコテージを建てようとする。はたして「夜の者の庭」の正体とは・・・?なところで後半へ。

 一見関係なさそうな職業の2人が、お互いの利益のため協力して仕事をするという設定を作り上げる作者の手腕に「ひゃっほう、22世紀(たしかそれぐらいな年代設定だったはず)!」ってなる。俺が。設定だけの小説、ではないですよ為念。自分の研究や生活のためとは言え、まっとうな自然保護とは大きく違う方法を取らざるを得ないことに苦悩する生物学者に、読者は自身の姿を少なからず見て取るだろう、みたいな。そこまで大きいことは俺はまだ何もやってませんが。