冲方丁マルドゥック・スクランブル -200」読了。大企業のCEOの死後、彼の親族が次々に体の血を抜かれて殺されるという事件が発生。最後の親族となった孫娘に対しで生命保全プログラム゙が発動され、ボイルドとウフコックが出動するが━━

 不定形サイボーグ対ボイルドの戦闘シーンの緊迫感はもとより、孫娘を狙う犯人は一体誰なのかというサスペンス部分と、「『マルドゥック・スクランブル』プレストーリイ・シリーズ…」と銘打たれているとおり、「ヴェロシテイ」と「スクランブル」をつなぐ物語としてのボイルドとウフコックの確執がそこここに描かれていて、非常にハラハラする展開に。また、この号が出たころ(2004年の1月ごろ)にすでに「スクランブル」の前日譚たる「ヴェロシテイ」(出版は2007年の9月以降)の構想が冲方先生の脳内にあったのかと思うと、その物語の規模にただただ驚くばかり。

 そして巻末の「今月の執筆者紹介欄」での冲方先生の「『マルドゥック・スクランブル』だれかアニメ化してくれないかな」発言にちょっと泣いた…(※マルドゥック・スクランブルのアニメ化は2007年からGONZOで企画が進むも、製作中止に)。