大きいゴキブリではない

 今朝の雨、電車が止まることを期待したのは俺だけではアルマイト。会社最寄駅前の歩道でなにやら蠢くものがあったので近づいてみると、なんとカブトムシのメスが。どれだけ自然が豊富なんだ。今日は普通に内勤だったので、いつも通りケータリングで弁当を注文する。今まで一通りメニューを頼んでみて分かったのだが、このケータリング会社のカツのサクサク具合は絶妙。弁当の容器に入って密閉されているために、とんかつ屋・天ぷら屋ほどサクサクではないが、コンビニ弁当と比べたら圧倒的に衣がさっくりしていておいしい。
 帰りは雨も止んでいたので、最寄り駅の一つ手前で降りて歩いて帰るなどという鼻持ちならないことをして、かてて加えて途中のレンタルビデオ店で「タクシードライバー」その他を借りて帰る。今更俺がどうこう言うことではないと思うのだけれど、「タクシードライバー」はすごかった。



 ロバート・デニーロ扮するタクシードライバーが、街にはびこる悪徳や片思いの恋人*1に振られたりで鬱屈した日常を打破すべく、大統領候補の暗殺を企てるが・・・。という内容。借りた動機の8割は西川魯介関連で、作中の「袖口から飛び出す拳銃」のギミックを自作して何度も試すデニーロにウイスキー吹いた。あと、拳銃の抜き打ちを試したり鏡の前でポーズを取ったりするのは攻殻2ndの「飽食の僕」の基なのだと感じ、「やっぱり名作・古典は読むべきだよなぁ。」などと素面ではとても口にできない感想を漏らす。
 作品の割と最後の方がどんでん返しの連続で、大統領候補暗殺に失敗した主人公は街で知り合った娼婦の少女(ジョディ・フォスター!)を助けに行くのだが、売春の元締めのギャングや客との銃撃戦に巻き込まてしまう。もしこのシーンで映画が終わっていたなら、勝手に惚れたタクシードライバーが客と上司を襲撃して、辺り一面血だらけで、「ジョディかわいそうだよジョディ」という映画になってしまって憂鬱な感じのみが残るだけ。しかし、エピローグで主人公が生きていること、以前と同じようにタクシードライバーとして働いていることが明かされ、加えてジョディの親が「娘を娼婦の道から救ってくれてありがとう」と言うようなモノローグを披露するに至り、主人公の立場の回復が行われている。
 割とアニメ・マンガ方面の経歴が長い俺としては、ジョディを巡る銃撃戦のシーンで、首に銃弾を食らったり、袖口銃や靴に仕込んだナイフなどのギミックがしっかり効果を発揮するあたりに死亡フラグの立ちっぷりを感じてしまったため、主人公が生きていることに正直驚きを禁じえなかった。ディスプレイに口を空けている自分が映っていた。なので、エピローグで主人公の名誉が回復されて普通の生活に戻る展開は、もはやラーゼフォンの「世界の調律」ぐらい唐突だった。
 まとめると、アニメ熟練度の高い人は結末に衝撃を受けると思う。あれ、これだけ?

*1:メガネ!眼鏡!めがね!