小川一水「フリーランチの時代」読み終わりました。それとは関係ない話ですが、SFマガジン
買った時はだいたい撫荒武吉って言う人がどこかでイラストを描いてるんですよね。今度
出る小川一水のハヤカワの短編集もこの人が表紙イラストを描くみたいだし、少し不思議、
略してSF。「フリーランチ」はいろんな知性体とファーストコンタクトしたくてたまらない
異星人に地球人が平らげられちゃうお話。異星人は地球人を銀河市民に迎え入れるために、
人間の体細胞を自己増殖型のナノマシンに(半ば強制的に)入れ替えて生きるか死ぬかの
選択を迫るんですが、ナノマシン融合体になっちゃった地球型生命体は果たしてヤツ
(異星人)の言う「宇宙で本当に価値がある」局地性を備えた生命体と言えるのか。
 
 そういう目的なら「幸せになる箱庭」(今度出る短編集に収録)のクインビー的方法のほうが
目的にあっているのでは?ああ、でも「フリー〜」の異星人(ミナ)とクインビーの目的は微妙に
違うのかな?クインビーは地球人が地球人のままあたふたして成長していく過程が見たくて、
ミナの場合はご飯をただにしてあげて(地球人を援助して)早く会いにさせることなんでしょうか。
それにしても火星探検隊の朝食が納豆に塩鮭ってずいぶんとほほえましい(笑)。火星で
日本人としてのアイデンティティを保つにはこれぐらいしなければいけないんだろうか?