「80デイズ」を見に行くにあたってもう一度「八十日間世界一周」を読み直して
います。以前の日記でジャッキーがパスパルトゥーをあてるのはいかがなものかなどと
書きましたが、久しぶりに読み直してみると、実際に無茶な賭けをして世界一周旅行に
乗り出すのはフィリアス・フォッグなので、その点では確かに主人公は彼なんですが、
しかし読者が感情移入できて一緒に世界を旅する気分になれる人物はパスパルトゥーだと
思うのですよ。
 フォッグ氏は何事にも動じない不屈の精神を持った理想の紳士として描かれていますが、
彼は読者があこがれて見上げる存在にはなりえたとしても、同じ視線で旅をしていける
キャラクターではないわけで、その点パスパルトゥーは各地でちょっとした観光もすれば
失敗もするし、いわゆる「愛すべきやつ」という存在なのではないかと思います。
 この点から見れば(映画はまだ見てませんが)、パスパルトゥーを全面的に主役に持って
きて、さらにコメディー要素(ジャッキーはアクションスターでもあるけど「八十日間〜」に
アクションを混ぜるのはどうかと思う)を混ぜ込むためにジャッキーを起用するのは結構な
演出だと思うのです。まだ映画は見てませんが。