ファイナルシーカー レスキューウイングス (MF文庫J)を読む。ネタばれ分が豊富なので感想は下に。






 ともすると美談、アツくなりがちな人の命を救うという話(もちろん悪いことではない)を、
いい具合に幽霊が抑えてるという感じでした。例によって乱暴なたとえ方ですが。ああ、幽霊ってのは
主人公が以前遭難した時から憑依してる幽霊で、遭難した人を見つけてくれる能力があるみたいです。
その力のおかげで主人公は救助の現場でも一目置かれてるんですが、幽霊に手伝ってもらってる
負い目からなんとなく周りにも溶け込めず、ちょっと浮いてます(主人公が。幽霊ももちろん浮いてる)。
で、そこに新人の女性整備士が入ってきて、この人は当然眼鏡なんですが、彼女とのふれあい、
そして以前遭難した時に救助してくれた恩人でもあり上官でもある人物の死がもたらす葛藤を
乗り越え、吹っ切れた主人公を待っていたのは厳寒の日本海で遭難した中国海軍潜水艦の
救難ミッションだった。政治的思惑と吹雪の吹き荒れる海上で主人公と幽霊が得た「人が人を救う
ことの答え」とは…。
 ずいぶん説明っぽくなっちゃったんでいつもどおりにまとめると、「特配」と「回転翼の天使」を
足して二で割った感じです。すごいメカと人でがんばる的なところが。小川一水が好きな人も
初めて読む人もお勧め。