あと神林長平復刊フェアとやらで雑誌掲載短編とかを集めた鏡像の敵 (短篇集 ハヤカワ文庫 JA (810))とか入手困難だった文庫が
発売されてます。「鏡像の敵」は火星シリーズに出てくるPABを扱った「兎の夢」が面白かったです。
このモチーフはテレビの画面は消えてるんだけど、主電源はついてるときに聞こえる音というか
感じだと思うんですが、聞こえます?復刊文庫の方は太陽の汗 (ハヤカワ文庫JA)と「猶予の月」を買いました。「太陽の汗」は
「え、ここで終わり?」っていう感じ。万能翻訳機とか高性能カメラとかはあるんだけど
そういったフィルタを通して得た情報が自分の感じるものとどんどんずれていく雰囲気は
よかったけど、物足りない感じが。「猶予の月」は「宇宙消失」で「屈折リーベ」なお話。
あらすじはあまぞんとかに任せるとして、こういう「姉ならなんでもいいのか」「眼鏡なら
なんでもいいのか」という、人物と属性の可分/不可分を巡る考察というのは究極的には
個人がどう感じるか、に尽きちゃうと思うんですよ。それを上下巻で考察する(もちろん
それだけではないんですが)、というのはちょっと長すぎた気がしないでもないです。バールと
イシス、アシリスの三人だけでもよかったかなぁと思うんですが。