今日は友人Yと一緒に「スカイ・キャプテン」を見てきました。あ、この先は映画の
ネタばれになるのでお気をつけください。
 

 まず、メカがどれもカッコイイですね。冒頭の飛行船ヒンデンブルグⅢ世の圧倒的な
体積感とか、街に侵攻する怪ロボット達のレトロな感じのデザインも1939年という
時代設定にぴったりはまっていました。無理に新しい感がぜんぜん出ていなかったです。
奴らの発射する怪光線(ただの光線でなく「怪」光線)も効果音をつけるなら「ピーッ」
じゃなくて「びっ」とか「びびびび」という感じでしたよ。
 あと、第二段の怪ロボットは羽ばたき飛行する戦闘機なのですが、こいつは羽ばたき飛行
などというスットコな手段で飛ぶくせに武器は機関銃だったりして、妙なバランスでした。
これはジュード・ロウ扮するスカイキャプテンが駆るP−40(長い主語だ)にも言えることで、
水に潜れる(!)くせに撃たれれば穴が開いて燃料も漏れるし、無茶な機動ができるわけでも
ないんですね(特殊装備を使わない限りは)。
 他の脇役メカにも驚嘆するばかりです。ウラン鉱山にうち捨ててあったまんまジェットモグラ
掘削機とか、アンジョリーナ・ジョリー扮するイギリス軍のクック中佐の空中空母(これも妙な
バランスで、動力はプロペラ)なんかも良いです。また空中空母の搭載機は垂直尾翼がリピッシュ
博士な感じの架空機で、こいつももちろん(!)潜ります。名前が「リヴァイアサン」なのも
うなずけますね。
 終盤に出てくるメカはだんだんスットコとリアルのバランスが崩れてきて、未来感が増してくる
のが少し残念でしたが。


 次にストーリですが、これはもう単純に正義の味方スカイ・キャプテンが悪の親玉トーテン
コッフ博士をやっつけに行くというそれだけの話です。トーテンコッフはドイツ語で「ガイコツ」
なので、敵は「ガイコツ博士」ということでしょうか。きっと死神博士の親類でしょう。
 これだけで物足りなかったのか、キャプテンとグゥイネス・パルトロウ扮するドジッ娘新聞
記者ポリーとのラブコメ風味がついていますが、完全に「コメ>ラブ」でした。ポリーのキャラ
クターがドジっ娘なのでラブが少なくなるのはしょうがない気もするのですが。


 次に色々な突っ込みどころですが、これはメカに突っ込みだすとどうにも止まらなくなるので
ストーリー部分にひとつだけ。物語中盤で、怪ロボットを操っていた怪電波の発信源である
ネパールに行くのですが、結局あったのは廃ウラン鉱山だけで、そこで敵に襲われていつの間にか
怪電波のことがうやむやになってしまったのはどうかなぁと思いました。怪電波の発信源を突き
止めるのが前半の肝みたいになってた割には扱いが軽くなりすぎです。がんばれ、怪電波。


 最後に、大雑把な分類ではこの映画は「B級SF映画」とかになるのでしょうが、だいぶ、
いやかなりメカよりなので注意が必要です。宮崎駿作品のメカが好きな人や飛行機、特に試作機
好きは見に行くと吉かも。友人Yもそのテの人なのでとても喜んでおりました。(まとまってないな〜)